筋萎縮性側索硬化症Amyotrophic Lateral Sclerosisについて

ALSでは脊髄の側索(錐体路はここを通って前角へ向かう)の変性、前角の萎縮が起きる。

このため、ALSでは運動神経が障害されるが感覚・自律神経は障害されない。

 

運動ニューロンの障害は下位から始まり徐々に上位、最後に球麻痺(延髄)に至る。

 

脳神経のうち運動神経成分があるもので延髄に起始核があるもの(Ⅸ、Ⅹ、Ⅻ)が障害され、これを球麻痺という。

 

球麻痺症状:嚥下障害、構音障害(Ⅸ.Ⅹ)舌萎縮・線維束性収縮(Ⅻ)

 

錐体路症状:腱反射亢進、病的反射出現、痙性麻痺

 

脊髄前角細胞症状:四肢の筋力低下、筋萎縮、線維束性収縮

 

陰性症状(ALSには起こらない症状のこと)

四大陰性症状

1.他の脳神経症状(眼球運動障害)

2.他覚的感覚障害

3.膀胱直腸障害

4.褥瘡(自律神経が障害されないため皮膚血流が保たれている)

 

<病理所見>

前角細胞内にBunina小体という好酸性の封入体がみられる。

筋生検では、全角細胞の変性を反映して群集萎縮(まとまった萎縮)がみられる。